荒神宮別当今井家系略記
「荒神宮」は今井蔵人豊成が源(木曾)義仲の武運を祈って開かれたと伝えられている神社です。
このあたりの経緯については『諏訪形誌』271ページからの「荒神宮(参上神社)」の項をご一読
ください。また、今井蔵人豊成については『諏訪形誌を歩く(Web版)』の「荒神宮とも関係の深い
今井四郎兼平と信濃国筑摩郡今井郷」「上田地域と木曾義仲・巴御前・今井兼平・今井豊成」なども
併せてご参照ください。
さて先日、この今井豊成から始まる今井家の家系略記(写)が発見されました。諏訪形誌の記述に
もあるとおり、荒神宮は文化8年(1811年=江戸時代後半)の火災によって建物や文書のほとん
どを失ってしまっています。今回発見された『家系略記』は今井家21代の今井隼人兼文が書き残し
たものを、昭和63年(1988年)に今井武雄が「原本のとおり書き写した」とされる文書です。
荒神宮が焼失したのは、今井兼文が神職をつとめていた時期に当たります。また、今井武雄は令和4年
(2022年)現在の神職、今井貴美の祖父に当たる方です。
この文書は、長い間荒神宮の役員を務めておられる有賀酉夫に荒神宮関係者から相談があり、諏訪
形誌活用委員会委員の窪田善雄とともに史料を調べている中で発見されたものです。残念ながら現時
点では兼文が残したとされる原本は見つかっていませんが、これからも新たな発見があるかもしれず、
楽しみです。
以下のリンク先に『荒神宮別当今井家系略記』および、その書き直し版を掲載します。
『荒神宮別当今井家系略記』(1988年 今井武雄氏による)
『荒神宮別当今井家系略記』(2022年 諏訪形誌活用委員会による)